中小企業を襲うランサムウェア 中嶋製作所の図面流出から学ぶべきこと

中小企業を狙うランサムウェア攻撃と図面・見積書などのデータ流出脅威を解説するアイキャッチ画像

うちは小さい会社なんで、狙われるようなデータもない気が…

実はその『油断』こそが、サイバー犯罪者に一番狙われているんです!

2023年には中嶋製作所がランサムウェア被害を受け、図面や見積書などが流出しました。今日はその事例を見てみましょう

目次

中小企業でもランサムウェア被害は他人事ではない 

「うちは小さな会社だから狙われない」と考えている経営者は少なくありません。

しかし実際には、攻撃者は企業規模ではなく侵入しやすさを見ています。

製造業などは図面、顧客情報、見積書など価値の高いデータを持っているため、ランサムウェアの標的になりやすい業種の一つです。 

ランサムウェアとは 

そもそもランサムウェアってなんですか?

ランサムウェアとは、パソコンやサーバー内のファイルを暗号化し、使えない状態にしたうえで、復旧と引き換えに身代金を要求する不正プログラムです。 

最近のランサムウェアは、ファイルを暗号化するだけではありません。攻撃者が先に社内データを盗み出し、その後でシステムを止め、「情報を公開されたくなければ金銭を払え」と脅すケースが増えています。これを二重脅迫型と呼びます。 

つまりランサムウェアの被害は、「パソコンが使えない」というITトラブルでは終わりません。営業、製造、会計、顧客対応まで止まる可能性があり、会社全体の事業継続に関わる問題です。 

中嶋製作所で起きたランサムウェア被害 

2023年11月22日、中嶋製作所は、ランサムウェア「BlackCat」により社内のパソコン、サーバー、ファイル等が感染していることが判明したと公表しました。 

同社の公表では、営業担当者のメールアドレス、顧客の見積書、図面などが流出していることが確認されています。また、社員の個人情報についても流出した可能性があるとされています。 

別報道では、2023年11月6日に社内の基幹システムで障害が発生し、調査の結果、サーバーやパソコンに格納されていた各種ファイルが暗号化されていたこと、基幹システムや会計システムが動作しない状況に陥ったことも報じられています。 

一般的なランサムウェア感染の流れ 

中嶋製作所の侵入経路は断定できませんが、中小企業で多いランサムウェア被害は、次のような流れで起きます。 

  • 侵入口を探される:古いVPN機器、弱いパスワード、リモートデスクトップ、メール添付などが狙われます。 
  • 社内ネットワークに侵入される:一度入られると、攻撃者はサーバーや共有フォルダを探します。 
  • 重要情報を盗まれる:図面、見積書、顧客情報、メールデータなどが外部に持ち出されることがあります。 
  • ファイルを暗号化される:業務に必要なファイルが開けなくなり、基幹システムや会計システムが止まることがあります。 
  • 身代金を要求される:情報公開をちらつかせる脅迫メールが届くことがあります。 

中嶋製作所の事例では、システム障害、BlackCat感染、ファイル暗号化、見積書・図面などの流出、脅迫メールという流れが確認または報じられており、二重脅迫型ランサムウェアの典型的な被害に近い構図です。

中小企業がランサムウェアの標的になる理由 

中小企業では、専任のセキュリティ担当者がいないまま、日々の業務の中でIT運用を続けているケースが少なくありません。 

  • VPNの更新漏れ 
  • パスワードの使い回し 
  • 多要素認証未導入 
  • バックアップ未確認 
  • セキュリティ担当者不在 

攻撃者は有名企業だけを狙うのではありません。守りの弱い企業を探しています。 

中小企業が今すぐ確認したい3つの対策 

  • バックアップは取得だけでなく、復元テストまで実施する 
  • VPNやサーバーを最新状態に保つ 
  • 多要素認証を導入し、パスワードだけに頼らない 

これさえやっておけば一安心!

ランサムウェアから会社を守ろう

中嶋製作所の事例は、ランサムウェアが中小企業にとって現実的な脅威であることを示しています。図面、見積書、顧客情報は企業の信用そのものです。 

特に重要なのは、「感染経路が公表されていないから学べない」のではなく、「自社であり得る侵入口を一つずつ潰す」ことです。中小企業のランサムウェア対策はITの課題ではなく、会社を守るための経営課題として考える必要があります。 

参考文献・参照サイト

本記事で紹介した事例の時系列、被害状況、および中小企業が取り組むべきセキュリティ対策の基準は、以下の公的資料および専門メディアの報道を基にしています。

事例に関する一次情報・報道

中小企業向けセキュリティガイドライン

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この記事を書いた人

ITコンサルタントとして中小企業を支援。
保有資格は応用情報技術者・AWSSAA・G検定等。

多くの企業では「セキュリティ担当者がいない」「IT担当者が兼任している」という現実があります。そんな悩みに答えるべく、専門家向けの難しい解説ではなく、中小企業の経営者や総務担当者、一人情シスの方でも理解できるように、情報セキュリティやAI活用を分かりやすく発信しています。

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